ノルウェイの森の、もうちょいと奥まで

読書ノートから、世界の本質をひも解く

気づいたときにはもう追いつけない。そして、真似できない

『戦略はサイエンスというよりもアートに近い。優れた経営者はアーティストだ
戦略は部署ではなく人が担う。サイエンスの本質は〝人によらない〟こと
また、科学には決定式が成り立つが、戦略に公式はない(理屈で説明できない部分が多い)』

 

『戦略は〝当たり外れ〟の問題ではない。〝信じているかいないか〟の問題
将来はしょせん不確実だけど、われわれはこの道筋で進んでいこうという明確な意志、それが戦略ストーリー
ストーリーを語るということは、〝こうしよう〟という意志の表明。〝こうなるだろう〟という将来予測ではない』

 

『〝大切にする〟と〝依存する〟ではまるで違う
気合と根性は大切であり、一番大切なことかもしれないが、それによりかかったリーダーからは、戦略は出て来ない』

 

『天国に行くための最良の方法は、地獄に行く道を熟知することである
マキャベッリ』

 

『SP(戦略的ポジショニング。strategic positioning)が明確でOP(組織能力。organizational capability)も強い、これが最強の状態』

 

『大切なのは、ストーリー
スピルバーグ

 

『中古品ビジネスにおける成功のカギは、商品を買ってもらうことよりも売りに来てもらうこと
ターゲットは、〝中古品を安く便利に手に入れようとする人〟というより、〝いらないものを捨てたくない人〟』

 

『目標があって目的がない、それは仕事ではなく作業。実現したい世界観を明確に、まぶたに焼きつける』

 

『コンセプトを考えるうえでの大原則は、〝全員に愛される必要はない〟。八方美人は禁物』

 

『一見して非合理だが、全体としては合理的な〝賢者の盲点〟をつけ
ただし、〝先見の明〟とは違う。バクチではないし、それは優位が確保(証明)された後でも、他がカンタンに真似できないものだから』

 

『これだけ情報の流通の速度が速い時代にあって、〝誰も気づいていない新しいことにいち早く気づき、誰よりも早く実行したから成功した〟ということはとても難しい
自分が気づいていることは、だいたい他の人も気づいていると思ったほうがいい。先行したつもりでも、どこかで誰かがすでに手をつけていてもおかしくない
〝先見の明〟に寄りかかってしまうと、〝本当の意味で独自の〟戦略ストーリーは出てこない』

 

『〝機会(チャンス)〟は外在的な環境にではなくて、自らの戦略ストーリーの中にある』

 

『〝賢者の盲点〟は、ちょっとした創造性が必要ではあるが、天才のひらめきでも、荒唐無稽な発想の飛躍でもない
そんなものであれば全体合理性に転化することは困難だ。全体として見た時に、「ああ、なるほど」と思えるような飛躍でなければいけない
〝ちょっとした創造性〟は、その業界で広く共有されている通念や常識をうたがうことから生まれる。その先に〝キラーパス(賢者の盲点)〟の芽を見つけるのはそれほど難しくはない
肝心なのは、〝部分的な非合理性〟を〝全体の合理性〟に転化するストーリーの構想であり、そこがストーリーテラーとしての、戦略家としての腕の見せどころ』

 

『戦略は将来の世の中や環境が〝こうなるだろう(だからそれに適応しよう)〟という予測ではなく、自分たちが世の中を〝こうしよう〟という主体的な意図の表明
戦略ストーリーはそのための設計図』

 

『まずは〝エンディング〟を考える(一貫性を作り出すため)。そのためには、まずは〝競争優位〟と〝コンセプト〟をはっきりとイメージする』

 

『みんなが食いつくようなコンセプトであれば、とうに誰かがものにしているだろうし、まだ誰も気づいていないコンセプトであれば、往々にして突飛なだけで終わってしまう
だからこそユニークなコンセプトの想像は難しいが、このジレンマを乗り越えるのが本当の創造性』

 

『〝賢者の盲点〟を見出すためには、日常の仕事や生活の局面で遭遇する小さな疑問をないがしろにしないことが大切
普通に仕事をし、生活しているだけで、ちょっとした不便や疑問がさまざまに出てくる
なぜこんな不便が解決されずに残っているのか、こういうものがあったら面白いのになぜ世の中に存在しないのか、こういうサービスがあったら楽しいのに…というような疑問
必ず何らかの理由があるので、その理由をもう一歩深く考える
ほとんどの場合は、〝かかるコストがとうてい引き合わない(割に合わない)〟とか〝技術的に無理〟というその種の〝どうしようもない理由〟
しかし、どんな人でも多かれ少なかれ常識にとらわれている(そもそも常識とはそういうもの)
一歩引いて、論理的に素直に考えてみれば、ごく簡単な解決策があるにもかかわらず、通念や常識が邪魔をして、長い間放置されている不便や欠如があるかもしれない(ある)
〝賢者の盲点〟は、その先にある』

 

『自分の頭を使って、自分の言葉で、自分だけのストーリーをつくること』

 

『〝戦略〟は、一期一会のものであるため、決定論や法則ではつくれない
なので、戦略的思考を豊かにするためには、〝過去に生まれたストーリーを数多く読み、背後にある論理を読解する〟ということが有効
対象としては、新聞や雑誌の速報的な断片の情報よりも、ある企業や歴史や戦略についてじっくりと記述した本、優れた経営者の評伝や自伝といった〝ストーリー〟になっているものが良い
成功したものだけではなく、〝失敗例〟を読むことも大切。それが〝なぜ〟かということが学べるから』

 

『一番大切なことは、ストーリーの根底に抜き差しならない〝切実なもの〟があるということ。〝切実さ〟と〝面白さ〟は少し違う
面白いというのは、あくまでも自分を主語にしている。自分にとって面白いことでなければストーリーづくりは始まらないし、面白ければ夢中でのめり込む
しかし、面白いだけではその情熱は長続きしない。長い旅を支える屋台骨として、面白さを超えたところにある切実さが必要になる
〝切実なものとは、体の内側から盛り上がってくる熱気と、そして心の奥底に沈んでいる黒い錘である(脚本家、笠原和夫)〟
そうした切実なものに裏打ちされていなければならない
戦略ストーリーにとって切実なものとは、〝自分以外の誰かのためになること〟
直接的には顧客への価値の提供だが、その向こうにはもっと大きな社会へに対する〝構え〟なり〝志〟のようなものがある
人間は利己的な生き物であり、誰もが自分が一番かわいい
しかし、人間はわりとよくできていて、自分以外の誰かに必要とされたり、喜ばれたり、感謝されたり、そういう実感を得たときに、一番嬉しく、一番自分がかわいく思える。それが人間の本性
そう考えると、〝切実さ〟と〝面白さ〟はほとんど重なっている。〝好きこそものの上手なれ〟で、自分が好きで、心底面白いと思えることであれば、持てる力をフルに発揮できる
その結果、良い仕事ができるし、自分以外の誰かの役に立てる。人の役に立っているという実感が、ますますその仕事を面白くする
ますます好きになり、能力に磨きがかかる。こうした好循環が仕事を持続させる
〝世のため人のため〟はつまるところ〝自分のため〟だし、本当に〝自分のため〟になることをしようとすれば、自然に〝世のため人のため〟になる
自分にとって〝切実なもの〟を根底に』

 

楠木建、ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件

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こんにちは。いつもこころに花束を

guts koporu takkaです

ええ、とくに突っ込みとかはいりません

このまま突っ走ります

 

 

この本は名著です

マスト・リード!と叫びたいところですが、

『一見して非合理だが、全体としては合理的な〝賢者の盲点〟をつけ
ただし、〝先見の明〟とは違う。バクチではないし、それは優位が確保(証明)された後でも、他がカンタンに真似できないものだから』

『〝賢者の盲点〟は、ちょっとした創造性が必要ではあるが、天才のひらめきでも、荒唐無稽な発想の飛躍でもない
そんなものであれば全体合理性に転化することは困難だ。全体として見た時に、「ああ、なるほど」と思えるような飛躍でなければいけない
〝ちょっとした創造性〟は、その業界で広く共有されている通念や常識をうたがうことから生まれる。その先に〝キラーパス(賢者の盲点)〟の芽を見つけるのはそれほど難しくはない
肝心なのは、〝部分的な非合理性〟を〝全体の合理性〟に転化するストーリーの構想であり、そこがストーリーテラーとしての、戦略家としての腕の見せどころ』

要点はここなんですね

 

どれだけ先見の明をもって時代を先読みし、誰も思いついていないビジネスを先行したとしても、それだけでは〝逃げ切れない〟

いつかは他人、他社に追いつかれ、真似され、いたちごっこの消耗戦‥

携帯キャリアとかがよくやってる、あんな感じですね

いくらやってもキリがない

 

そうではなく、一見して誰も真似をしない、「なにやってんだあいつ?」くらいの反応をさせておき、他が「なるほど!そういうことだったのか、やられた!」と思ったころにはもう追いつけない

追いつけたとしても、簡単には真似できない

そういう戦略を考えだせ、ということを『スターバックス』などの例を手にとりながら説明してくれています

 

こうやって字面だけ追っていったら「そんなことができりゃ苦労しねえよ」と思うかもしれませんが、これを読むとその必要性がよくわかると思います

だから、必読なんです

そして忘れてはいけないのは、ふてくされるのは自由ですが、〝ぜんぜん不可能なことじゃない〟ということです

やるか、やらないか。それだけなんですね、詰まるところは

 

 

もうひとつ、この本から学べる最重要なこと。それは、

一番大切なことは、ストーリーの根底に抜き差しならない〝切実なもの〟があるということ。〝切実さ〟と〝面白さ〟は少し違う
面白いというのは、あくまでも自分を主語にしている。自分にとって面白いことでなければストーリーづくりは始まらないし、面白ければ夢中でのめり込む
しかし、面白いだけではその情熱は長続きしない。長い旅を支える屋台骨として、面白さを超えたところにある切実さが必要になる
〝切実なものとは、体の内側から盛り上がってくる熱気と、そして心の奥底に沈んでいる黒い錘である(脚本家、笠原和夫)〟
そうした切実なものに裏打ちされていなければならない
戦略ストーリーにとって切実なものとは、〝自分以外の誰かのためになること〟
直接的には顧客への価値の提供だが、その向こうにはもっと大きな社会へに対する〝構え〟なり〝志〟のようなものがある
人間は利己的な生き物であり、誰もが自分が一番かわいい
しかし、人間はわりとよくできていて、自分以外の誰かに必要とされたり、喜ばれたり、感謝されたり、そういう実感を得たときに、一番嬉しく、一番自分がかわいく思える。それが人間の本性
そう考えると、〝切実さ〟と〝面白さ〟はほとんど重なっている。〝好きこそものの上手なれ〟で、自分が好きで、心底面白いと思えることであれば、持てる力をフルに発揮できる
その結果、良い仕事ができるし、自分以外の誰かの役に立てる。人の役に立っているという実感が、ますますその仕事を面白くする
ますます好きになり、能力に磨きがかかる。こうした好循環が仕事を持続させる
〝世のため人のため〟はつまるところ〝自分のため〟だし、本当に〝自分のため〟になることをしようとすれば、自然に〝世のため人のため〟になる
自分にとって〝切実なもの〟を根底に』

ということです

 

 

これ以上は変に説明するより読んでもらったほうがいいです、実際に

アンテナに引っかった方は、どうぞ

バイバイ!