ノルウェイの森の、もうちょいと奥まで

読書ノートから、世界の本質をひも解く

あなたがゴミだと思っているあの人は、あなたではないと言い切れますか?

『「また、金を借りに来い」
「あんた闇金(クズ)が生きてる意味が分かんない」
「死ぬ意味も分かんねェな」』

 

真鍋昌平闇金ウシジマくん 22巻

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マンガ率、高いですね

なんせマンガは、より短時間に多くが得られる魔法のコンテンツですから‥

とは、一概には言えませんけどネ

まあ、活字より気楽に読めて、舐めてかからない限り得られるものが多いのは事実です

 

この『闇金ウシジマくん』もそう

出会ったのはとある元、職場。そこは休憩所にマンガの持ち込みが自由だったわけです(けっこう長時間拘束な職場だったので、息抜きかな)

S君が持ち込んだこのマンガ、1巻目を読んで思ったわけです

「エグいな‥」と

なぜエグいかと言えば、以前の

 

現実と、2Dがリンクしてドッカン! - ノルウェイの森の、もうちょいと奥まで

 

という記事で、マンガをマンガで終わらせるのはもったいないけど、マンガというものは誇張表現を用いてエンターテインするもの、みたいな書き方をしたわけですが、このマンガは‥

いや、フィクションはフィクションなんだけど、やけにリアルなんですよね

以前に作者がテレビに出演していて、綿密にモチーフを取材する、というようなことを言っていたと思うのですが、確かにこんな奴いるわ‥と感じる

それだけではなく、自分の中に〝その一面〟を垣間見るからエグいわけです

 

怖いわけですよ

 

来る日も来る日も自己肯定を繰り返し、でも本当は涙が出るほど、吐き気を催すほど〝本当の自信〟が欲しいニート

自分を飾ることにご執心で、とにかく〝お洒落〟を、もっとお洒落を、みたいなことになってる少年

 

思い出しながら書いてるので正確かわかりませんが、そんな奴らがわんさか出てくるんです

あなたはそれを見て、「俺とは関係ねえな!」と笑い飛ばせますか?

言い切っちゃって申し訳ないですが、笑い飛ばせたとしたらろくなもんじゃないと思います

たとえ本当にそこを抜け出していた(もしくは元からその要素がない)としても

タフになっていくことと、弱さを忘れることは違います

なかったことにするのも違います

笑い飛ばす、というより〝見て見ぬふり〟してると、足元すくわれますよ、いつか

 

話は戻りますが、1巻目を読んで、私は続きを読もうか考えました

当時は、今より〝それ〟を読むのがより辛かったからです

自分の中にある弱さ、自分に待ち受けるかもしれない〝悲惨な未来〟を見せられているような気がしたからです

 

しかし、たかがマンガでと思われるかもしれませんが、これは逃げてはアカンやつやな、と思いました

吸収せねばと

この〝現実の一端〟を吸収したうえで、進まねばと

なんか力んだわけですねw

 

でもよかったと思いますよ読んで

今でも続きが出たら読んでますけどね

 

冒頭のやりとり、

「また、金を借りに来い」
「あんた闇金(クズ)が生きてる意味が分かんない」
「死ぬ意味も分かんねェな」』

ですが、いうまでもなくウシジマくんはクズです

でも、そのへんの半端もんよりよっぽど〝まっとうに〟生きてますよ

読めばわかる

たぶんね

 

口数は少ないんだけど、背中で語ってる感じ‥って言ったらよく言い過ぎかな

何度も言うけどクズなのは間違いないですからね

でもね‥

自分はまっとうに生きてると思っているそこのあなた

自分がまっとうだなんて考えは、危険だと思いますよ?

 

紙一重なんです、あなたがゴミを見るような目で見ている、〝向こう側の世界〟は

少なくとも、自分の中にいる〝絶対に表に出してはいけないもの〟をちゃんと見つけておくために、認識しておくために、いいきっかけになるかもしれまんせんよ、このマンガは

 

 

てな感じで今回はここまで

バイバイ!