ノルウェイの森の、もうちょいと奥まで

読書ノートから、世界の本質をひも解く

宙に舞う人生哲学、いずこに

『ルールを選択しろ。たとえ自分の中が空っぽで、恐怖に直面していても
選ぶ意志を持ち続け、それができると信じる。恐ろしい過ちを犯したときでさえ』

 

『階段を昇るのであれば、一歩一歩が価値あるものであってほしいという気持ちがどこからともなく湧いていた。がむしゃらに突き進むのではなく。
自分がその一歩を進んだのだという実感がほしかった』

 

『肝心なのは確信だった。運命の輪の確信だ』

 

『運命の輪は二重だ。左へ回れば悲しみを、右に回れば喜びを運んでくる
運を右回りにする努力を怠ってはいけないよ。難しいことじゃない
いるべき場所、いるべき時間に、そこにいるようにしな
着るべき服、言うべき言葉、整えるべき髪型、身につけるべき指輪と一緒に
自分自身の声を、おろそかにせずに』

 

『腹で呼吸すれば安心を、胸で呼吸すれば希望を感じた
肩で息をすれば自然と鼓動も速くなり、全身の脈動を意識して呼吸することで自分の肉体の存在を実感できた』

 

『体の真ん中の一本の柱。どんな圧力でも決して砕けない、柔軟な弾力をもった柱』

 

『毎回勝つことなど不可能で、大事なのは戦術を正確に駆使し、より高い確率で勝てる状態を目指すことだ
負け続ける可能性のある長い道のりを、果てしなく進む精神こそが求められるゲームだ』

 

冲方丁マルドゥック・スクランブル The 2nd Combustion─燃焼

f:id:c-b-a-from466:20150830005752j:plain

 

 

『ゲームは忍耐だ。しかし目的のない忍耐ではストレスが溜まってしまう。無意味な遠慮はいらない』

 

『誰にも遠慮する必要なんてないんだよ。特にこういう大きな勝負ではね
遠慮なんて、勝負の上ではクソみたいなもんさ。ひどく臭くって気が散るもんだよ
あんたは、あんただ』

 

『あるべき自分であれば良い。いるべき自分でいれば良い。それでなければカードと会話なんてできない』

 

『意識にあったのは、〝自分にこれができたのだ〟ということ
宙に躍り出て、そこで、それまで存在しなかった自分だけの階段を踏んだのだ
本当に怖かった。体中が震えていた。一歩を進む勇気を絞り出せた』

 

『良い匂いだ。君の魂の匂いだ
俺が信じるものがあるとすれば、これだという確信をくれる』

 

『人間は、自分の反吐の匂いにだって、価値を見い出す存在だ』

 

冲方丁マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust─排気

f:id:c-b-a-from466:20150830005957j:plain

 

 

こんばんは。深夜の住人、guts koporu takkaです

深夜帯にも真昼にも、わりといつもいる男、それがわたし

guts koporu takkaです

 

この本は以前に初刊だけ紹介しましたね

続編の読書ノートがあるか怪しかったんで単体で紹介したんだけど、案の定?続きもありました

 

たぶんこのシリーズが初めて読んだライトノベルだと思うんですが、めっちゃくちゃおもしろかったんですよ、これ

ふだん映画でもスター・ウォーズくらいしかSFって観ないし、ましてやラノベで読むとはあまり思ってなかったですけどね

タイトルの響きに惹かれて読んだらおもしろかったんです、めちゃくちゃ

 

以前の記事でも書きましたが、著者の冲方(うぶかた)さん、奥さんへのDV容疑で捕まったちゃったみたいですね

本書のあとがきで

『陰きわまれば陽に転ずる。陽きわまれば陰に転ずる
何かを失うことも、手に入れることも、実は同じことなのかもしれない
映画に出演することで得たものも失ったものも、僕は同じように愛している(ジェット・リー)』

というジェット・リーの言葉を引用していましたが、冲方さんも陽極まって陰に転じちゃったんですかね

最近は出すもの出すもの大ヒット、て感じでしたもんね

まあみんなヒットすりゃ捕まるわけじゃないから、彼なりの問題を抱えていたんでしょうが

成功っていうやつは、対策をちゃんと検討しておかないと「成功したぜやっほう!」じゃ済まないものも一緒に連れてきてしまうみたいですからね、どうやら

 

いちおう楽しませてもらったよしみでフォローしておくと、〝容疑者〟っていう段階はまだ〝疑われている〟段階であって事実が確定したわけではないのでございます

これから裁判があって、そこで初めていったん白か黒かってことになるわけですね

素晴らしい作品を生み出すことができる人なので、白でも黒でも、燃え尽きなきゃいいなあとは思いますけどね

わりと本物の、というか自分の人生とガチで向き合ってる人じゃないと書けない哲学が詰まっている作品でもあるので、そのまま終わっちゃうってことはないとは思いますが、どうでしょうね

 

 

さあ、良い子は寝る時間です

バイバイ!